建築用内外装 特注レンガタイル 設計資料

レンガタイルメーカー / TLCアソシエイツ:私は、タイル業界に入って今年で37年目になります。様々な経験を通し、現在は建築設計事務所の皆様の「建築用のレンガタイルの専門家」としてお手伝いしながら活動しています。昨今、本当の事を困っている方々に伝えたい気持ちが溢れてきました。一つでもお役に立てる事ができればと思います。

建築設計事務所の所員さんが、ある時「特注のレンガタイル」を扱う必要性が生じたら、皆さんどうしますか?

膨大な設計業務の中で多くの悩み、処理せねばならない作業、

たくさんありますよね。

 

建築設計事務所の業務って、ほんとうに沢山の作業がありますね。

 

皆さんがいつも遅くまで事務所に残って仕事されていらっしゃる

姿を何十年もみてきました。

大変なお仕事だといつも感じています。

 

そもそも、建築の仕事は、「これで終わり!」ということが

なかなか無いですね。

 

考えれば考えるほど、より効果的なアイデアや、比較検討に

よる、新たな認識の発見など、どんどん気づいていくのが

人間の思考なんですね。

 

 

自分も製作の仕事であるために、具体的な商品が決まるまでの

時間の経過には、いつも苦労しています。

 

何かを考える。決める以前が、大変苦しく、もどかしく

あっという間に時間が過ぎていきますよね。

 

そんな中で、いつも思うのですが、

 

建築設計事務所の担当所員さんが、ご自分の担当プロジェクトに

突然!「レンガタイル」という素材を検討する立場になった時に

皆さんどんな感情が湧いてくるのでしょうか?

 

施主さんであるクライアントさんから、今回の建築の素材として

使用してほしいという要望があった場合?

 

事務所内のプロジェクト会議で、今回のコンセプトを検討して

いる時でしょうか?

 

素材のある部分の必要性や機能性などから、浮上することが

あるんでしょうね。

 

「レンガタイル」と言っても、あまりに漠然としていますが、

形状・色・素材感・メンテナンス性・コスト・陰影・高級感・

表現力など 建築家の思考と結び付く要因が、どこかの部分

に、各々の記憶イメージが存在し、引き出されて浮上するの

でしょうか?

 

そう考えると、レンガタイルに行き着いた過程に、我々メーカー

の人間は、大変興味を持っています。

 

何か、その感性に、私自身の検索力を導入してお手伝いしたい

強いい気持ちに駆られるのです。

 

そんなところから、また、引き続き話をしていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

広島「世界平和記念聖堂」

■世界平和記念聖堂
所在地・広島市中区幟町4番42号
設計・村野藤吾
施工・清水建設 
定礎式 1950年8月6日、献堂式 1954年8月6日
鉄筋コンクリート

建築面積 1,230㎡
高さ 天井18.00m
屋根 23.00m
鐘塔 45.00m
撮影 TLCアソシエイツ kisara

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あいにく天候に恵まれず、晴天下での見学はできなかった。
焼き物を扱う私が、この外壁はモルタル・レンガとは知ってはいるものの、強い胸の高鳴りを感じながら教会を前にした。

この巨大な迫力と静寂の中で、私に対峙するこの建築の精神性は心の奥深くまで浸透してきた。時間の許す限り、目に焼き付けて帰ろうと思った。

有名建築だけに、様々な専門家の評論は多々存在するが、壁面の創作を専門の仕事として長年携わってきたものとして、村野先生のこの意匠表現を目視し、体感として味わってみたかった。春夏秋冬、朝昼晩、各々違った環境で本来なら体感してみたかった。

 

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レンガの粗積パターンがフランス積みになっているところも、リズミカルに目地の粗さとの調和をもたらせているかもしれない。
小口面と長手面の荒さと粒子の違いで、焼き物の窯変のような雰囲気まで発している事がわかる。

実際に施工した関係者や職人に、目地はレンガ積みのモルタルがはみ出たところを目地鏝でさっと押えただけのものなのか、一本目地でさらに注入して目地きりをしたのかは、聞いてみないとわからない。しかし十分どの部分も凹まず目地部分が充填されているので、後者の手法も考えられる。

外壁のどの部分かはわからないが、実際に第一次補修工事が、1983年におこなわれ、二次(1989)、三次(2001)と行われている。
この聖堂のレンガは、荷重を少なくするために、モルタル・レンガの一部をくり抜いたレンガを使用している。大変興味深い。


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凹凸の差は25mmはあるだろうか。モルタルの中の川砂が、沢山の色数と粒子の大小混合となっている。コンクリート色の梁部分と見比べると、レンガの中に含まれる珪砂の微妙な薄茶色が、レンガ壁面を柔らかい朽葉色を帯びたグレーに変化させて見えるのは、はじめから狙ったものであろうか。

せっ器質レンガタイルにおいても、私は「隠れ色」と呼んでいるが、一見近くでは醸し出さないが、やや離れることによってふわっと現れる土色がある。その焼き物に相当するような、この教会のレンガは、天然の川砂の結晶のようなものであったのだ。その素材感が、やはり人間の厳しい「目」に素直に感じさせる材料となっていたのだ。

昨今、当社でも目地の表現を評価されご指定いただいているが、下記の参考図書にあるように、昔から建築家・デザイナーと現場監理者・職人の目標とする感覚のズレがやはり生じていたのだと親近感を感じた。
今の時代もあいかわらず、建築業界の都度勝手な無理解でのこだわりに関してである。必要以上に、顕微鏡的に美的感性の仕上げまでも意味なく指示されたり、芸術的感覚で目指しているものを、杓子定規に無理解の中で、監理者としての立場だけで言われたり、おかしなことが多々あるのである。
その為に、素材メーカーである我々が、専門の技術者と絶えず、切磋琢磨して現場に臨まなければならないのである。



▼下記参考図書参照:

「アメリカの煉瓦積みの技法書などを参考にしながら、極端に荒々しく処理したり、そこに強い陰影がでるようにしたりして、独特の肌理を造る工夫を加えていた。」この手法を意識して使った最初の注目作品は、「広島平和記念聖堂」であり、ここで村野が実現した外壁の目地処理の大胆さは、多くの建築家たちを驚かせた。」(以下略)

村野氏はあえて「荒っぽく善い仕事」を職人たちに要求した、と書いているが、設計者が、「コンクリートを打ったら一切修繕無用の事、豆板があっても石ころが出ていても、一切手を加えてはならぬと厳命」し、「人造ブロックの叩きが細かいと云って文句をつけたりした」ために、仕事熱心できれいな仕上げを心掛けよ、と常々いわれ続けてきた現場の職人たちを大いに戸惑わせた、というエピソードを残している。村野はあえてその種の指示を出すことによって、先に触れたような、近代科学や工業がもたらす精密さや、幾何学的な直線直角性といったものを、外壁面の表現においてできるだけ遠ざけ、それをもっと人の手や身体の痕跡を残したものにしたい、という村野が持ち続けてきた、≪建築美学≫の実現を目論んでいたと思われるのだが、もちろんそうした意図は、現場の職人たちはその時知る由もなかったはずである。その種の村野の意図は、モルタル・レンガの目地の間からはみ出したモルタルを、竹べらで粗く早く横に引いて、それでも残ったモルタルをそのまま放置したかのように見える、あの独特の美しい外壁の表情となって実ったのである。
村野はこの聖堂の竣工時に、「これから10年後になったら何とか見られるようになりましょう」と述べて、この建築についての評価に、ある程度の時間的な猶予を求めたといわれるが、彼はあえてこのような≪不完全さ≫のままに自分の建築を誕生させることによって、「直線多様の現代建築」につきまとう「ストレス」から、誕生時の自分の建築を開放してやろうとしていたのであり、その独特の“緩み”のある形態や、荒れた素肌の間に、建物にうまく年齢をとらせようとする余裕と余地を、あらかじめ与えておくことを心掛けていたのである。

建築資料研究社 村野藤吾のデザイン・エッセンスVol.3
外の装い 素材とファサードより引用

 

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★下記は、せっ器質の当社レンガタイルであるが、モルタル・レンガのテクスチャーを参考に、下記下段の粗面(ワイヤーカット面)にショットブラストを加工して、セメント色とは違った村野式出目地をチャレンジしてみたいですね。

チューブ目地で目地切り・・・・・・・・。

お問い合わせください。


brick tiles | 建築用レンガタイル ・ レンガ専門 | TLCアソシエイツ

 

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赤のレンガタイルは不滅。  風景に無くてはならない日本の建築文化

希少価値になりつつある 本物の赤レンガ

「赤レンガ」というと、東京駅? 横浜倉庫の赤レンガ? 三菱1号館?

私は、北海道人なんで 札幌の道庁

煉瓦の組積造建築の保存運動が盛んになっている気がするのは、私だけでしょうか?

 

「赤レンガの外壁はやぼったいよ!」って素人には、たまに言われますが、

赤レンガの外壁は深いですよ。

20~30年前なら、どこもかしこも赤レンガの建築の需要が豊富にあったので、メーカーならず、商社や輸入品などで溢れていましたね。

 

でも、建築関連の方々? 赤レンガ探してみてくださいよ。

「ありますって?」

ありますよね、、。何かを我慢しなければなりませんよね。

 

すっかり、取り扱いジャンルの変貌してしまった国内大手メーカーや商社。すぐ大量に入れ替わりのない商材や大きな利益の見込めない建材なんて、やってられない世界なんでしょう。

 

「赤レンガ」と言っても一口に、何をもって赤レンガなのか?

結局、主観的なことですね。その方が満足すれば。

それはそれで良いでしょう。

 

でも、知ってしまった人は、個々の感性を満たす赤は、創らねばありませんね。

「赤レンガ」すら 高級オーダー品の時代になったということでしょう。

 

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赤レンガ 選んでつくろう!赤レンガタイル - YouTube

レンガタイルの様々な表情

選ぶというより、創りだそう!

レンガタイルの湿式製法(原料を水分を含んだ練り土状にして押出成形スいる方法)は、真空押出成形機で板状に押し出して成形します。

押出成形の段階で、金型の違いによって表面凹凸を付けるものと、
成形後の2次加工によって面状を変えるものなど、様々な種類が
制作できる利便性があります。

プレス成形と違って金型制作費も安く、現場単位で金型をつくることも十分可能です。

各種の表情を参考としてください。

金型成形のままのものや、二次、三次と手間を掛けて制作するものなど、建築素材としての面白さは、ここにあります。

 

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最上:フラット面 金型フラットから抜き出しのまま

上から2番:二丁掛短手方向にワイヤーカット成形(通称:粗面)

上から3番4番:二丁掛の場合、長手方向にワイヤーカット成形(通称:粗面)

 

 

 

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最上:割肌、テッセラ面 1枚で成形したあとに、2枚割する。

上から2番:はつり面  厚手の素地を成形し乾燥後、片面をハツリ落とす
               成形時に裏足は金型で抜かれています。
上から3番:焼成後のはつり。 表層とは違った内部の焼き斑が現れます。

最下部: 成形後のある程度柔らかいうちに、表面を物理的に荒らし手加工します。

 

 

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最上部と2番:成形後の素地が乾燥する前に、金ブラシ等を使って表情をつくります。

上から3番目:ローラー掛したクレーター面にスクラッチ風に手加工のブラシ挽きを長手方向に統一して仕上げます。

最下部:ワイヤーカットした表面にクレーター巻のローラーを掛け、部分的に手を加えます。

 

 

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全てスクラッチ。
押し出し成形の縦、横の方向違いによって、櫛挽される流れが違ってきます。
取り付ける釘の種類や深さ間隔によって変化を付けます。

 

 

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最上部:コバ面カカシ加工をしたタイルに、白釉掛をし、クラシカルな雰囲気に
グレードアップします。

上から2番:幅抜きワイヤーカットに対し、手作業でキズを付け、部分的に白釉掛します。

上から3番:4面カドカカシ 幅抜きワイヤーカットでザックリ感をさらに強調させます。白骨材(シャモット)を混入させ、骨材の成形時の引きズレを起こさせます。

最下部:旧来の塩焼きをモチーフに、焼成後の露出効果を狙った原料を混入ます。

 

 

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最上部:原料内に焼成時に燃え尽きる粒上の原料を混入させ、焼成後のクレーターを作り、二次加工でショットブラスト加工を施してさらにクレーターの露出効果を狙います。

上から2番め:ハンドメイド加工 泥状に表面加工し焼成します。

上から3番め:白粒シャモット入 ワイヤーカット面に部分釉掛けします。

最下部:乾燥前の素地に土状の原料を掛け還元焼成します。

 

 

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最上部:ワイヤーカット面に、凹凸ローラー掛をします。

上から2番:フラット成形面にローラープレスします。

上から3番:成形素地の段階で表面を荒らし仕上げします。

最下部:粗い骨材を使用した粗面に、ショットブラスト加工を施します。

 

 

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最上部:ワイヤーカット粗面 幅抜き 通常品

上から2番:ライン抜き後、ショットブラスト

上から3番:フラット面に部分ショットブラスト

最下部:紐あてローラー加工 

 

 

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最上部:ライン引き+ショットブラスト加工

上から2番:ローラー掛面+カカシ加工

上から3番:ハンドメイド 表面加工

最下部:ライン引き 金型

 

 

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最上部:ライン引き テッセラ

上から2番目:角カカシ仕上げ

上から3番目:ワイヤーカット+コロガシ加工

最下部:ハンドメイド加工

 

 

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最上部:粗面幅抜きアンコ焼き 還元焼成

上から2番:筋面

上から3番:スクラッチ(深目仕上げ)

最下部:クレーター付ローラー仕上げ

 

 

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最上部:ローラー掛+白釉掛

2番から最下部:粗面ハンドメイド砂状仕上げ

 

 

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最上部:はつり+ショットブラスト仕上げ

上から2番:はつり仕上げ

3番4番:ハンドメイド加工

 

 

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最上部:クレーターベルトローラー掛

上から2番:クレーター焼き+ショットブラスト加工

3番目:山型リブ。 金型使用各種リブ型

最下部:ボーダータイルショットブラスト仕上げ

 

技法は、数十年間の間に様々な工夫を試みてきましたが、
完成後のイマジネーションから逆算して、数千本から数万本の
タイルの集合体被覆を想像することから始まります。


たまたま、「レンガタイル」と呼ばれるイメージの建材ではありますが、
集合体としての素材の表現力は、まだまだ多様に存在するのではないでしょうか?

 

TLCアソシエイツのレンガタイル 

レンガタイル・レンガに使用する原料

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一般に陶磁器の原料は天然鉱物である珪酸塩鉱物、粘土類、石類です。

製造する条件を限定しなければ、ほとんどの天然鉱物が使用できます。

 

しかし、製造されるタイルの品質、たとえば白い素地が必要な場合は、原料の中に鉄分が含有されていると、鉄分が焼成中に反応し、
色が鉄分の影響を受けてしまいます。

 

その影響をなくする為に、原料選定上の厳しい制約を受けることになるのです。

良く言われることがあるのですが、原料産地の山土や畑の土を掘ってきてそのまま使っているのが、レンガタイルで有るかのごとく言われることが、笑い話の様に未だにあるのです。

 

タイルの色斑やサンプルとの違いなど、簡単に指摘されることがございますが、タイルの品質は、タイルの原料である素地によって決まってしますのです。

現況、ますます原料産地の安定的な生産・供給が難しくなっています。

昨今では、より目的にかなったプロフェッショナルな打合せがますます必要となっているのです


タイルの原料を大きく分類すると、粘着力を有する可塑性原料(粘土類)、骨材、溶剤となる非可塑性原料(石類)とに分けることができます。

 

一般的に可塑性原料には、

カオリン、蛙目(ガイロメ)粘土、木節(キブシ)粘土があり、

非可塑性原料は、

陶石、ロウ石、珪石、長石があります。

このような原料を、タイル品種、製造方法別に試験して調合します。


可塑性原料(粘土類)

粘土とは、天然産の微細なアルミノ珪酸(主にカオリナイト)を主成分とする鉱物の土状集合体で、その微粉末を水で湿らせば可塑性、乾けば剛性を示し、充分高温で焼けば焼固するものをいいます。

 

カオリンカオリナイトを主成分とした可塑性のやや劣る、焼けば白色に焼きあがる粘土です。

 

蛙目粘土:カリリナイトを主成分とした可塑性の高い焼けば淡黄色に焼きあがる粘土で、タイル製造上必要欠くことのできない原料の一つです。原土中の珪石がキラキラ光り、蛙目のようなところから、蛙目(ガイロメ)粘土と呼ばれます。

 

木節粘土:カオリナイトが主成分。最も可塑性が大きく、焼けば淡黄色に焼きあがる粘土で、湿式製法に使用されます。原土中に亜炭が含まれていることから木節粘土と呼ばれています。
海外では、ball clay ボールクレイと呼ばれています。

 

非可塑性原料

粘土に調合され、素地の骨材となって乾燥を早くし、乾燥及び焼成後の収縮を少なくします。

また、タイルの変形や亀裂を防ぐ役目をはたします。

 

非可塑性原料には、陶石、ロウ石、珪石があります。

長石もこの中に入りますが、高温でガラス化した時に高粘性範囲が広い為、溶融原料として使用され、磁器には欠くことのできないものとなっています。

レンガタイルの製造工程(湿式製法)

当社の専門分野は、湿式製法

タイルの製造方法には、タイルの成形の仕方によって

大きく2つに分かれます。

・粉末原料を高圧でプレスする乾式製法

・水分を含んだ練り土状の原料を、押出成形する湿式製法

があります。

当社は、この原料抜き出しの湿式製法で生産しています。

 

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【写真】押出成形の様子

 

★ レンガタイルの製造工程 

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  1. 原料専門工場発注
  2. 原料配合工程
  3. 成形工程 湿式製法(押出成形)/ 真空押出成形機
  4. 乾燥工程  成形された生素地を台車に積んで、専用乾燥炉(または自然乾燥)で土に含む水分を乾燥させる。
  5. 窯積み工程  トンネル窯専用台車に、焼成環境を考えて積む
  6. トンネル窯入れ 
  7. 焼成工程 自動移動台車にて20ないし40時間程度かけて焼成する。この工程内にて、前もって設定された酸化・還元焼成がおこなわれる。
  8. 窯下ろし工程
  9. タイル割り  通常、湿式製法のタイルは、2枚が裏足にて結合した状況で窯出しされる為、この焼成後に2枚に割って分離する作業がある。
  10. 検査  荷口見本提出 確認打合せ
  11. 選別
  12. 梱包
  13. 工場出荷  運送便工場引取
  14. 現場配送

当社の扱う専門分野は、せっ器質レンガタイル

建築業界関係者の一部の人達は、理解しているとおもいますが、せっき質タイルの「せっき」とは、通常ほぼひらがなで表記されています。

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上記のような環境依存文字の為、パソコンであえて表記する事ができますが、化け文字になって読みとれない可能性が大の為、ほぼひらがな表記です。

建築設計事務所の図面にも、本来の漢字表記にはほとんどなっておりません。

「石器」とパソコンで間違って記入されている場合が多いですね。

本業の私としては、どうもひらがなでは、軽さというか、本質が伝わらない原因ともなっている気もしています。

 

タイルの分類で、素地の質による分類があります。

素地の吸水率により分類すると、下記3種に分けられます。

  • 磁器質    吸水率 1.0%以下  焼成温度 1,300~1,200
  • せっ器質   吸水率 5.0%以下  焼成温度 1,200前後
  • 陶器質    吸水率 22.0%以下   焼成温度 1,000以上

2008年のJIS A 5209陶磁器質タイルの改正により、従来の陶磁器、せっ器質、陶器質の区分がなくなり、

Ⅰ類(3%以下)

Ⅱ類(10%以下)

Ⅲ類(50%以下)

の区分に刷新されました。

JIS A 5209陶磁器質タイルの改正 ※INAX資料参照

従来は、吸水率によって磁器・せっ器・陶器などの材質を区分し、内外の使用判断としていましたが、現況はタイルの素地の粗密を表すだけの規格となりました。

当社で扱う外壁レンガタイルは、結局 Ⅰ類とⅡ類の2種ということになります。

レンガタイルは、原料の条件や焼成環境により一律なものではありません。

 

一般的に、「レンガタイル」という言葉だけでは、素材の共通認識はできないわけで、昨今のセメント商品から、輸入材のカット加工のレンガ、磁器の釉薬掛け品など

ますます、通訳が必要な現状なのです。